修業時代には、試行錯誤を繰り返してきました。値段をつけ間違えることだってありました。今、某質屋本店にはマッサージ機が置いてあるのですが、これにまつわるエピソードがあります。当時、まだ修業中たった頃のことです。いくらだったかは覚えてないのですが、ある中年女性のお客様が持ち込んだ商品に対して、値段をつけ間違えたことがありました。それも、微妙な間違いではなく、15万円のものに30万円をつけてしまった、というような大きなミスです。一旦お客様に値段を伝えたあと、先輩に「おまえ、それ全然違うよ」と言われ、驚いてすぐ訂正し、謝りました。でも「私の間違いで、実は15万円でした」と言うと、お客様は「あなたはプロなんでしょう。1回言った金額を、なぜ今になって訂正するの」と、めちゃくちゃに怒ってしまいました。半額になったのだから、怒るのも当然です。私としては、ただ平謝りするしかできません。すみません、すみませんと頭を下げ続けましたが、怒りは収まらないまま。私はその人の自宅の最寄り駅まで、菓子折りを持って謝罪に伺いました。すると「まあ、私も腹が立ったけど、ちゃんとプロとしての自覚を持ってやっているみたいだから、今回はいいよ」と言ってくれたのです。「二度とこういうことがないようにしなさい」という言葉とともに。それからその人は、私がミスをしたにもかかわらず、しょっちゅう店に来てくれるようになりました。厳しいんだけど暖かい、まるでお母さんのような存在でもありました。