酪農農家が繁殖も手掛け、この受精卵を使った人工繁殖を行えば、乳用牛に借り腹した肉用牛(和牛)の子が次々に生まれてくることになる。技術的には子牛づくりから肥育までを地城内でこなすことが可能になっているわけだ。松坂牛の産地振興には、肥育農家だけではなく、酪農家の力も不可欠といえる。だが、残念ながら、こうした受精卵移植を試みる酪農家は一部止まり。体外受精では血統を証明する子牛登記が事実上難しく、子牛が市場に出たとしても、買う側が血統が見極められずに及び腰になる恐れもあるという。そうしたマイナス要因もあるが、出品が少なく「風前のともしび」とまでいわれた松坂家畜市場の子牛市に若干ながら活気が戻りつつあり、今後、体外受精で生まれた子牛で市場が活性化することを三重県経済連関係者は夢見る。センター職員も、「受精卵移植を取り入れる酪農家がもっと増えれば、地元で安定して肉用子牛の調達が可能になる」と期待する。